技術情報
ラベルの基本構造
基材、粘着剤(のり)、セパレーター(台紙・剥離紙)、ラミネートから構成されます。
ラミネート |
印刷面の保護や、光沢・マットにする目的で加工するラミネートフィルムです。
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基材 |
大きく分けて、紙とフィルムのタイプがあります。 紙基材・・・上質紙、ミラーコート紙、アート紙、訂正紙、可変情報紙など。 フィルム基材・・・ユポ、PET、PP、PVC、PET蒸着(金色、銀色)、開封防止など。 |
粘着剤 |
強粘着、再剥離、再貼付タイプがあり、目的によって使い分けます。
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セパレーター |
クラフト、グラシン、フィルムの種類があります。
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※貼り付ける場所は、埃や油分などをふき取ってからラベルを圧着してください。
一般的にラベルの粘着力は24時間後に安定します。
ラベルの表面基材分類
基材 | 種類 | 特長 |
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紙基材 | 上質紙 | 化学パルプ100%の印刷用紙です。印刷・筆記適性があり、表面に光沢はありません。 |
コート紙 アート紙 |
原紙にコーティングし、表面平滑性を上げた塗工紙です。ラベル印刷に適しています。 | |
キャストコート紙 | 原紙を塗工し、キャストドラムに押し当てて平滑性を上げ、表面を鏡のように仕上げた光沢のある紙です。 | |
ホイル紙 | 金属箔を貼り合わせ、金属感をもたせた紙です。 | |
フィルム基材 | ポリエステル フィルム |
一般的にPETと呼ばれるポリエチレンテレフタレートもこの一種。機械的強度特性、耐熱性、平滑性に優れています。 白や透明タイプ以外に、マット・蒸着・ヘアライン・発泡タイプなどがあります。 |
ポリエチレン フィルム |
ポリエチレンフィルム(PE)は、成形しやすく入手しやすいことから幅広い用途で使用されています。 耐水性、曲面追従性があり、白と透明タイプがあります。 | |
ポリプロピレン フィルム |
耐水性に優れ、低温燃焼による有毒ガスが発生しない特徴があります。 白や透明タイプ以外に、マットタイプや蒸着タイプなどがあります。 | |
ポリスチレン フィルム |
ポリスチレン(PS)は成形性に優れ日用品の容器やOA機器の外装によく使用されるため、 同素材のポリスチレンフィルムを基材にしたラベルが用いられることがあります。同質同素材のリサイクルに最適です。 | |
塩化ビニルフィルム | 一般的にPVCと表記されます。耐候性に優れ、太陽光による退色が少ないなどの特長があります。 | |
合成紙 | 合成樹脂などを主原料とした紙状シートの総称。紙とプラスチックの特性を合わせもち、幅広い用途に使用されています。 |
ラベルの粘着剤分類
種類 | 主成分 | 特長 | 用途 |
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強粘着タイプ | アクリル系 | 汎用強粘着タイプ | 各種表示用ラベル、ステッカー |
透明性に優れたタイプ | |||
耐熱用 | 家電製品・OA機器類等の耐熱ラベル、基板ラベル | ||
低温貼付適性 | 冷食用ラベル・冷凍用ラベル | ||
粗面用 | 凹凸面貼付用ラベル | ||
ゴム系 | 粗面用・タイヤ用 | 凹凸面貼付用ラベル・タイヤ用ラベル | |
シリコーン系 | 耐熱性・耐候性に 優れたタイプ |
耐熱ラベル・屋外用ラベル、基板ラベル | |
弱粘着タイプ | アクリル系 | 汎用再剥離 タイプ |
POP用ラベル、広告宣伝ステッカー、リサイクル・リユース部材に貼付するラベル |
強粘再剥離 タイプ |
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微粘着タイプ | POP用ラベル、広告宣伝ステッカー、保護フィルム | ||
再貼付タイプ | アクリル系 | 一度剥がした ラベルを 再貼付可能 |
付箋、POP用ラベル |
ラベルの試験方法
黄色い部分がラベルの粘着面を表しています。
粘着力
JIS Z 0237 準拠 |
ステンレス版にラベルを貼付け、180度の方向に引き剥がした時の抵抗値の値。25mmの材料巾を300mm/分で剥がしたスピードの抵抗値。 (貼付後、30分後と24時間後に測定) |
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保持力
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被着体にテープを垂直に貼り、1kgのおもりをつけ一定時間の経過後にずれた距離を測定した値です。
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タック
(BallTackTest) JIS Z 0237 準拠 |
タックはラベルの貼り付き易さを示します。ボールタック法では、テープの粘着面を傾斜角30°で鋼球をころがし、テープ上で停止する最大径の鋼球の大きさでタックを表示します。 (数値が大きいほどタックが強い。) |